映画「インビクタス〜負けざる者たち〜」。 1995年ラグビーワールドカップで、これまでアパルトヘイト(人種差別)の影響によりIRB主催大会から除名されていた南アフリカ共和国が自国初開催、初出場、そして人種の壁を乗り越えた初優勝を果たした記録に残る大会の話である。
アパルトヘイト政治の犠牲者として20年間以上も拘置されていたマンデラ大統領。
1994年に大統領に就任し、ラグビーを通じて彼の強い決意が国全体を動かす結果となります。
南アフリカ代表のジャージのエンブレムでもある「スプリングボック」はアパルトヘイトの象徴として黒人たちが忌み嫌っているものであり、優勝の表彰式でスプリングボックのジャージを着た非白人であるマンデラ大統領が白人主将ピナールに優勝杯を手渡す姿は、スポーツ界の新しい歴史の幕開けの一歩となりました。
1995年以前の南アフリカラグビーは激動の時代を送り続けており、スプリングボクスがニュージーランドへ遠征した際、人種差別反対派から多くの妨害を受けました。
ニュージーランド代表選手の出場辞退者が数名、割れた瓶や小麦粉で作られた爆弾なるものがグランドに投げ入れられたそうです。
国と国を巻き込んでの大騒動。それだけアパルトヘイトの壮絶な現状を物語っているように思います。
当時、W杯決勝で南アフリカと対戦したニュージーランドのアントストローン選手。
私が所属していたチームで3年間プレーを共にしていました。
彼と酒を飲むと、必ず1995年W杯の話になります。
それはもう国をあげての異様な雰囲気。
南アフリカが勝ち進むにつれて、国が一気に結束力を固めていく姿を肌で感じていたようです。
しかし、現在でも世界の各地では人種差別によりスポーツが平等でない現実があります。
人種の垣根を越えて、万人が同じフィールドに立てる日がくる事を心待ちにしたいと思います。 |