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誰もが知りたい症状

矢印 ≫40 【関節唇損傷】

肩関節で上腕骨頭と連結している肩甲骨のくぼみを関節窩といい、関節窩は上腕骨頭を全てカバーできず、約4分の1しか覆っていないため、他の関節に比べて可動性が広い利点と不安定性を伴うリスクがあります。その不安定性を補う大きな役割を果たしているのが関節唇である。関節唇は関節窩の周りにあり、上腕骨頭が関節からはずれなくする働きがあります。
この関節唇損傷は様々なスポーツで受傷しやすく、特に野球など、ボールを投げた際、関節唇上部(SLAP)とつながっている上腕二頭筋長頭腱がひっぱり、肩関節にねじれの力が加わり損傷や痛みを生じ、特に投球動作のコッキング期からアクセレレショーン期(ふりかぶった状態からボールをはなすまで)に大きな負荷が肩部にかかり、一連の動作によって損傷を受けやすい。野球以外ではテニス、バトミントンやバレーボールのサーブなど、投球動作と同じ動作を行うスポーツ種目にもSLAP損傷が多々みられます。
SLAP損傷は4タイプに分類され、タイプ1は縁が擦り切れた損傷状態、タイプ2は関節唇が一部のみ剥離した損傷状態、タイプ3は関節唇の上部がバケツの柄のように垂れ下がるほど大きく剥離した損傷状態、タイプ4はバケツ状の損傷が上腕二頭筋長頭筋にまで波及した損傷状態である。また肩関節の脱臼に伴い、関節唇を損傷するケースも多くみられます。脱臼すれば上腕骨頭が関節窩に激突するため、関節唇の前下部が関節窩から剥がれ摩耗し関節唇損傷となります。この損傷が発症すれば関節唇が上腕骨頭の動きを制御できず、反復性脱臼(何回も脱臼を起こす状態)に移行しやすくなります。再脱臼を何度も再発するときは関節唇損傷だけでなく骨・軟骨損傷も考えら、関節唇損傷、骨・軟骨損傷の修復及び反復性脱臼防止の手術が必要となります。
SLAP損傷は、徒手検査で肩関節の確認とMRI画像で損傷程度を判別できます。診断はMRI画像で関節内に生理食塩水及び少量の造影剤を使い、よりコントラストを強調させた画像により、摩耗する前方の軽微な損傷を確定する診断が可能です。このように関節内の損傷程度がどういった状態か、徒手検査や精密検査などにより正確な判断を要します。損傷の程度や関節内外の併発損傷の有無、現在おかれている生活環境、日常生活動作レベル、スポーツ種目、スポーツの活動レベルなどを考慮し保存療法で治療過程を進めるか、あるいは手術療法が適応なのか的確な判断が必要となります。
保存療法は主に関節唇の損傷が軽微な場合に選択します。アイスマッサージ・アイシング・湿布・ストレッチング・電気治療(超音波・中周波)などで痛みを軽減させ、肩関節の安定性を図る筋力トレーニング(肩のインナーマッスル=棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)も並行しトレーニングを行い、筋力のサポートにより関節の不安定性を補います。
全くスポーツ活動を中止し手術が必要な損傷の程度か、スポーツ活動の制限と治療・スポーツリハビリでスポーツ復帰が可能な損傷の程度か、肩の損傷程度がどういった状態にあるか正確な判断を要します。的確な判断を怠るとスポーツ活動の長期間制限を余儀なくされ、日常生活動作にも支障をきたし、手術選択も避けられない状況になりかねません。間違った判断や自己判断はいたずらに治療を長引かすことになりかねません。自己判断は禁物です。かならず専門医の指示を守り、適切な治療・指導を受けましょう。

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