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誰もが知りたい症状

矢印 ≫50 【肘部管症候群】

肘部管は肘関節にあり、神経が通過する部位で、この部位に障害を生じるものを肘部管症候群といい、腕の小指側を通る尺骨神経が肘部で圧迫や牽引を受け、薬指や小指、前腕内側に痛みやしびれが出現します。野球の投手がこの障害に度々なりやすいでしょう。
日常生活に支障がない場合でも、投球フォーム(コッキングポジション)で、尺骨神経に負担がかかり、症状が発症します。症状は肘周辺のだるさや、指先に力が入らずボールがしっかり握れない、ボールがすっぽ抜けになるなどの症状が出現します。
肘部管には障害を受けやすいオズボーンバンド(肘の内側)と滑車上肘靱帯(肘の後面)があり、オズボーンバンドは尺側手根屈筋の中に尺骨神経が入り込む部位で膜状に形成されています。野球選手に多くみられ、投球動作を繰り返すことによって膜が固くなり障害を発症させます。滑車上肘靱帯はその下を通る神経を圧迫することで障害を発症させます。
徒手検査で肘関節の状態確認とMRI画像で損傷程度を判別できます。徒手検査は肘の内反、外反、肘関節の可動域制限の有無、尺骨神経の逸脱を触診し、手の内在筋の萎縮の有無、肘の内側部を軽度に叩打した際、小指と薬指にしびれ症状や知覚の鈍さなど、知覚異常が確認される場合はこの障害を疑います。MRI画像によって損傷部位を確定診断し、関節内の損傷程度がどういった状態か、徒手検査や精密検査などにより正確な判断を要します。また、関節内外の併発損傷の有無、現在おかれている生活環境、日常生活動作レベル、スポーツ種目、スポーツの活動レベルなどを考慮し保存療法で治療過程を進めるか、あるいは手術療法が適応なのか的確な判断が必要となります。
ほとんどのケースで手術選択はせず、保存療法で軽快します。保存療法は尺側手根屈筋や滑車上肘靱帯(筋)の緊張を緩和する超音波治療、電気治療、ストレッチング、アイスマッサージ、アイシングを主に行います。治療と並行し投球フォームが肘に負担となるフォームの場合はシャドースローやネットスローを施行し、フォーム矯正をします。フォームバランスの悪さが原因で障害になっている場合は、特に下半身強化メニューを指導し、フォームバランスの改善指導をします。また、長時間の肘関節の屈曲は神経へのストレスとなるため、日常から肘関節を長時間、曲げた姿勢は極力控えるようにしましょう。
的確な判断を怠るとスポーツ活動の長期間制限を余儀なくされ、日常生活動作にも支障をきたし、手術選択は避けられない状況になりかねません。症状が悪化すれば、手術選択をしても手遅れになることがあります。したがって、間違った判断や自己判断はいたずらに治療を長引かすことになりかねません。自己判断はせず、適切な治療・指導を受けましょう。

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