ラグビーの「ノーサイド」という言葉は非常に有名です。
試合終了のホイッスルが鳴れば、敵味方ではなく同じラガーマン、同じスポーツマンとしてお互いを尊重する精神のことをいいます。
この『ノーサイドの精神』に基づき、ラグビー競技の特徴のひとつに『アフターマッチファンクション』というものがあります。
これは試合終了後、シャワーを浴びた両チームの選手がブレザー(正装)に着替え、立食をしながら今日の試合について語り、ラグビーとは全く関係のない話などもしながら、お互いの健闘をたたえ合い、尊重し合う会のことをさします。
ついさっきまで一触即発、殴り合いのケンカ寸前の両選手も、「さっきは悪かったな」「いや、俺も」なんて話しながら穏やかな時間を過ごしていきます。
この会で、皆の前で話せるのは3人だけ。
まずはレフリー。この方がいないと試合は成り立ちません。
レフリーからは試合の総評や両チームへのエールが送られます。
そして次に話すのが両チームのキャプテン。
彼等は最初にレフリーに謝辞を述べます。そして相手チームに感謝の言葉を述べ、今日の試合について語ります。
相手がいて、そしてレフリーがいて、自分の好きなラグビーができる幸せを肌で感じ取る瞬間でもあります。
監督やコーチ、協会関係者が話す事は一切ありません。それはフィールドに立った者への尊敬の念が含まれています。
ラグビーは野蛮なスポーツに思われがちですが、このような精神の基に築かれた素晴らしいスポーツであります。
「ラグビーは子供を大人にし、大人を子供にする」
ラグビーに限らずスポーツに関わる全ての人にあてはまる精神なのかもしれません。
与えられたルールの中で全力を尽くし、お互いを尊重できれば、勝っても負けても納得ができるのではないでしょうか。
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