スポーツ活動は近年、健康志向と共に幅広い年齢層に広く浸透し、日常生活の一部になりました。しかし、間違った練習方法や過度の練習量などが原因により様々な障害を起こすことも少なくありません。鵞足炎もその障害の一症例でしょう。
鵞足とは縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の腱が付着している膝の内側部のことで、腱が扇状になり鵞鳥の足に似ている事から名称の由来となっています。鵞足炎は鵞足そのものが膝関節の屈伸動作や捻り動作を繰り返す事で摩擦を受け、腱そのものや腱周囲に炎症や膝の内側部に痛みが発症し、膝関節の屈伸時、圧迫時に痛みが増強する症状をいいます。
瞬発系動作の多い競技や陸上競技、サッカー、ランニング愛好家などにも多く見られ、過度の練習や短期間・短時間にハードなスポーツ活動などが症状を誘発させ、まれに膝関節や足関節の形態異常が原因で発症する場合もあります。
アイスマッサージ・アイシング・湿布・ストレッチング・電気治療などは痛みの軽減に効果的です。練習前には充分なウォーミングアップとストレッチングを行うようにしましょう。また、練習時・試合時はテーピングによって痛みを軽減させ、テーピングでのスポーツ活動は可能です。
スポーツ指導はまずジャンプや瞬発系動作を制限し、症状の程度が強度の際はジャンプや瞬発系動作を中止させましょう。現在の症状がスポーツ活動の制限期かスポーツ活動の中止期か、あるいは軽度にスポーツ基本動作が可能期か制限期や中止期か、的確な判断を要します。的確な判断を怠るとスポーツ活動の長期制限を余儀なくされます。
誤った自己判断はいたずらに治療期間が長期になり、他の膝部疾患との鑑別が困難なケースもあります。また、完治までに数ヶ月間要することにもなり、かならず自己判断は避け、専門医の指示を守り、適切な治療・指導を受けることをお薦めします。
痛みが軽快後も練習前のウォーミングアップとストレッチングは必要でしょう。また、日常から大腿部・下腿部のストレッチングや筋力トレーニング・練習後のアイシングも充分に行い、再発予防に努めましょう。
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