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誰もが知りたい症状

矢印 ≫51 【仙腸関節炎】

仙腸関節は脊椎の最下部にあり仙骨と腸骨の間で体重を支えている関節であり、脊椎は頸椎(7椎)、胸椎(12椎)、腰椎(5椎)で形成しています。背骨全体がスムーズな屈伸運動ができるのは、それぞれの椎体が少しずつ動き、連動しているからである。最下部で支える仙腸関節は体の前後屈でわずかに動き、柔軟性を与える働きがあります。動きは軽微であるものの、機能的には重要な関節であります。
仙腸関節炎は坐骨神経痛のような神経症状はなく、仙腸関節部が制限され関節部の炎症により腰殿部に痛みを生じる障害である。
原因はスキーやラグビーなどスポーツ競技での転倒により、仙腸関節に直接外力を受け、動きが制限され炎症を引き起こすケースや脊椎のいずれかの関節の動きが悪くなり、最下部の仙腸関節が代償し炎症を引き起こすケースがあります。
身体のバランスが悪い場合や痛みを我慢して競技を継続すれば、慢性的に仙腸関節に負担が増加し、慢性関節炎に移行するケースや仙腸関節の動きが悪いあまり、他の関節(股関節、膝関節、足関節)に負担が生じるケースがあります。また、仙腸関節部は各種スポーツ競技(フォーム)の基礎部分でもあり、仙腸関節障害を発症すれば、フォームを崩し競技力の低下に発展することもあります。
急性期は努めて積極的な安静も必要です。治療はアイシング、アイスマッサージ、超音波療法などの電気治療やストレッチング、ハリ治療などは痛みの軽減に効果的です。練習の前後には充分なウォーミングアップとストレッチングを行うようにしましょう。スポーツ指導はジャンプや瞬発系動作を制限し、症状の程度が強度の際はジャンプや瞬発系動作を中止させましょう。スポーツ可能期で、まだ痛みがある場合はテーピングによって痛みを軽減させ、テーピングでのスポーツ活動は可能です。
現在の症状がスポーツ活動の制限期かスポーツ活動の中止期か、または軽度にスポーツ基本動作の可能期、制限期、中止期のいずれに該当するか、的確な判断を要します。的確な判断を怠ればスポーツ活動の長期制限を余儀なくされます。 痛みが軽快後も練習前後のウォーミングアップとストレッチングは必要でしょう。また、日常から腰殿部のストレッチングや練習後のアイシングも充分に行い、再発予防に努めましょう。
誤った自己判断はいたずらに治療期間が長期になり、他の腰殿部疾患との鑑別が困難なケースもあります。また、完治までに数ヶ月間要することにもなります。かならず自己判断は避け、適切な治療・指導を受けることをお薦めします。

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