「終わり良ければすべてよし」なんてことわざがあります。
結末さえ良ければ、その過程がどのようなものでも構わないという意味です。
良いことわざなのですが、私はこの言葉に度々疑問を感じる事があります。
たとえば、夏のつらい練習…
監督やコーチから「ラスト!」と声が掛かると…選手達は一気に活気づき、「頑張ろうぜ!」「ミスするなよ!」なんて騒ぎ始めます。
今まで静かだった選手までもが大きな声を張り上げて場を盛り上げてくれます。
そして雰囲気よく練習は終わりを迎え、気分よく選手達は引き上げて行きます。
「終わり良ければすべてよし!」いい練習だった!と勘違いしてしまいます。
これこそチームの落とし穴なのかもしれません。
ラストが上手くいけば練習は終わりますが…
その前の練習でこれぐらい盛り上がれないの?と感じてしまいます。
我々はチーム力を上げるために日々努力を重ねていますが、決して練習を早く終えるために頑張っているのではありません。
ここを勘違いしてしまうと、最後だけ頑張り、内容のない練習となります。
何のためにつらい練習を行い、何のために時間を犠牲にしているのか?
練習の最初から全力で飛ばし、終了寸前には疲れきって声も出ない。
これが頂点を目指す、もしくは大事な試合に備えるスポーツマンのあるべき姿でしょう。
練習に臨む姿勢は「終わりより…最初が良ければすべてよし」の方がいいでしょう。
「終わり」とは目標にしている試合の事をさし、練習の「終わり」ではない。
目標の試合に勝つために練習では最初から飛ばし内容を充実させる。これがすべてよしに繋がる。
そのターゲットをしっかりと見定めておけば勘違いすることもないでしょう。
|