格闘技やラグビーなどコンタクトスポーツでよくみられる脳震盪とは、頭部への大きな外力や衝撃によって頭蓋骨内で『脳』が急激に揺れ、一時的な神経(運動・感覚)損傷を伴う症状です。
一時的に意識を失い、前後の記憶が曖昧になる症状がみられることもあり、症状によっては早急に医療機関での検査が必要になる場合が多く、対処の方法が非常に難しい症状でもあります。
損傷の度合いに関わらず、1度目の脳震盪を起こしてから短期間で2度目の脳震盪が起これば「セカンドインパクトシンドローム」といってかなり重篤な状態になることも考えられます。
常に生命の危険と隣り合わせの症状のため、「軽度の脳震盪だから…」「頭痛が治りました…」などと選手からの訴えだけで競技復帰をさせてはいけません。
2010年末に行われた全国高校ラグビー大会での出来事。
優勝候補の大阪朝鮮高校の主力選手が初戦で脳震盪を起こし、規定により3週間の出場停止を受けました。
タックルした後に、他の選手の膝が側頭部を直撃する防ぐことが難しい不慮の怪我でありました。
12日間で行われる大会のため、残りの試合を戦う事ができなくなった彼の高校ラグビー生活は終わる事となります。主力を失った大阪朝鮮高級学校は準決勝で桐蔭学園に敗れ、悲願達成を果たすことはできませんでした。
では、どうすれば脳震盪を防ぐことができるのでしょうか?
もちろん頭部や脳を筋肉で固めて鍛えることはできません。
まずは首の筋肉を含め、体幹(腹筋・背筋)の強化が非常に重要になります。
そして各スポーツでの基礎的な正しい基本動作を身につけることが大切になるでしょう。
ラグビーであれば正しい基礎的なタックルスキルを身につける。
ボクシングであれば正しい基礎的なディフェンス姿勢を身につける。
あとは自分にフィットしたマウスピースの着用も脳震盪を防ぐ効果に役立ちます。
スポーツにケガはつきものです。
高校生活をかけた最後の大会、代表を決める試合、数少ない晴れ舞台で最高のパフォーマンスをするためにも最善の準備と基礎練習の反復を日頃から常に心がける必要があるでしょう。 |