手仕事や家事で、手指をよく用いる場合、指に「カクッ」とか「コクッ」というバネ現象が起こり痛みを感じます。この痛みは男性にも起こりますが特に四十才以上の女性に、多く起こります。
原因としては、手指をよく動かせることによって、手指を屈曲させる腱(けん)と腱をとりまく腱鞘(けんしょう)に炎症が起こるため腱鞘が厚くなり腱の通り道が狭くなります。同時に腱が太くなってしまう為、太くなった腱が狭くなった腱鞘を出入りするたびに「コクッ」というバネ指現象が起こります。
バネ指・腱鞘炎の起こる指は、母指(親指)が最も多く、次に中指、環指(薬指)、示指(人さし指)、小指の順です。親指がよく痛くなるのは、日常よく使う指だからです。手のひら側の手指の根もとを押さえてみると、硬いふくらみがふれ、痛みを伴います。指を動かせると「コクッ」という音と共にひっかかりがふれます。
腱鞘炎・バネ指は、指を動かすと痛いため、指を動かすのがわずらわしくなり日常生活や仕事にさしつかえるようになります。
治療としては指を動かさないで安静がよいのですが、日常生活動作ではそうともできず一定期間の安静は不可能です。湿布とか軟膏を用いて、痛みが強い場合は、痛み止めの鍼や電気治療で痛みは軽減します。以上の治療でたいていはよくなりますが、よくならない場合は、手術によって厚くなった腱鞘を切開する場合もあります。
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