運動による生理的な疲労が回復されないまま、疲労が蓄積され発症する慢性疲労の状態をオーバートレーニング症候群といわれ、代表選手がよくオーバートレーニング症候群になっています。日常から競技のことが中心にあり、精神的にリラックスできないタイプやストレス解消の方法が上手く出来ない選手に多くみられます。トレーニングを含めた日常の体調変化(心拍数の増加や運動後血圧の回復状態)の把握が必要である。初期段階では原因不明の競技成績の不振や倦怠感があり、進行段階では睡眠障害や食欲不振、集中力の欠如がみられ、さらに進行すれば物事に対する意欲が急速に低下する『バーンアウト』(燃え尽き症候群)になります。これほど重度になれば、競技復帰が不可能になることさえあります。『バーンアウト』にならないためには、症状の早期発見が必要でしょう。
プロ野球選手がWBC侍ジャパンに選出され、過密日程での移動による身体的な疲労や代表チームと所属チームでの役割の違い、環境の違いによる気持ちの切り換えの難しさが精神的ストレスとなります。代表選手が所属チームに戻れば、積極的休息を与え、心身の疲労回復に努めることが望ましく、休息をとらないままトレーニングやプレーを継続し、オーバートレーニングに陥ってしまう選手も少なくありません。オーバートレーニングが進行し、重症になれば回復期間が長期になり、運動中止期間も長期になります。オーバートレーニングから回復するためにも、精神的なリラクゼーション、休息やエネルギー補給をとるように心掛けましょう。
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